研究課題/領域番号 |
16K16982
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
江藤 祥平 上智大学, 法学部, 准教授 (90609124)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 憲法 / 公法 / 法哲学 / 立憲主義 / 公共性 / 他者 / 公法学 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は、「他者」という切り口から、日本の立憲主義の再定位を試みたところにある。多様な個人の集まりを「われら日本国民」へと昇華させるためには、ノモス(人間が意味を志向するところに成立する規範世界)とナラティヴ(無味乾燥な法規範を豊かなものとする物語)という二つの装置が必要となることを、西洋諸国の経験から明らかにした。その上で、立憲主義の実現には、自己という存在を根底から揺さぶる他者と不断に直面することへのコミットメントが必要であることを明らかにした。その主な成果は『近代立憲主義と他者』(岩波書店)に収められている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、わが国で動揺を続ける近代立憲主義という概念を「他者」という見地から再構築することで、その成立に必要な諸条件を明らかにしたところにある。その正当性を疑われることの少ない民主主義に対して、立憲主義は民意を否定してまでも自己の意見を押しつけようとすることから、権威主義と誤解されがちである。しかし、本研究は西洋諸国の経験を通じて、本来の立憲主義が多様な他者に開かれたものであり、それによってはじめて民主主義が可能となる性質をもつことを明らかにしたところに、社会的意義が認められる。
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