研究課題/領域番号 |
16K17051
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 高知工科大学 (2018) 国際大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
矢内 勇生 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 講師 (50580693)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 政治学 / 政治経済学 / 再分配 / 政治行動 / 経済格差 / 不平等 / 認識バイアス / 政治態度 / 政治行動論 / 比較政治学 / 所得格差 |
研究成果の概要 |
本研究は、経済格差が再分配を増やさない理由を、有権者の立場から理解することを試みた。ISSPのサーベイデータを分析した結果、個人が主観的に認識した経済格差が大きいほど、再分配政策に対する支持が強くなることが分かった。 さらに、日本の有権者は経済格差を過小評価していることが明らかになった。サーベイデータを分析した結果、格差の過小評価に影響を与える要因がいくつか発見された。 格差の過小評価は再分配への需要を低下させる。政府が有権者の要求に応えて政策を決めるなら、需要の低下が供給を減らす。経済格差の拡大が再分配を拡張させない一つの理由は、有権者が格差を過小評価しているためであると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民主政は多数者による支配であり、多数者が貧しければ貧者に有利な政策が実施されるはずである。過去30年以上にわたる経済格差の拡大は、相対的に貧しい人を増やしたが、再分配は拡大しなかった。これはなぜだろうか。 本研究は、その原因が有権者の認識にあることを示した。客観的格差と有権者が認識する格差は一致せず、再分配規模の決定にとって重要なのは後者である。再分配の決定メカニズムを理解するためには、有権者の主観を測定する必要があることが明らかにされた。本研究は有権者が自らに有利な政策を望むとは限らないことを示しており、一時的に人気がある政策を実施しても、それが有権者を幸福にするとは限らない。
|