研究課題/領域番号 |
16K17097
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
松山 直樹 兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (80583161)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マーシャル / 経済学方法論 / 経済学と天文学 / トッドハンター / クールノー / 数理科学 / トライポス / 経済学史 |
研究成果の概要 |
本研究プロジェクトでは,初期マーシャルによる学問研究の意義について,経済学史だけでなく数学史や科学史の文脈も踏まえて幅広く捉え,その科学的な要素(すなわち,その特徴と限界)を析出する研究を行った.マーシャルは経済学者の道に進むことを決心するまでに,数理科学,心理学,哲学などの研究に取り組んでいた.本研究では,彼の数理科学の研究に焦点をあて,ケンブリッジ大学所蔵の一次資料に基づいて検討した.その結果,マーシャルが学生時代に学んだ数理科学には純粋数学に加えて力学や光学や天文学が含まれること,そしてマーシャル経済学の基本的な分析概念や方法論がフランス科学から影響を受けていたことが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マーシャルは,経済学を人間研究の一部に位置づけ,経済学が倫理や道徳を扱うことの重要性を説いた.そして,生きた人間が織りなす複雑な経済現象は必ずしも数学的に表現できるものではないと考えていた.本研究プロジェクトでは,経済学史,数学史,科学史の文脈において,マーシャルの経済分析における基礎的な概念や方法論が,18世紀から19世紀にかけて展開されたフランスの天文学や経済学から影響を受けて形成されていたことを明らかにした.上述のように,マーシャルは力学的な分析枠組みを超克する新たな分析枠組みを模索していたのであり,本研究プロジェクトにおいてその理論的ないし方法論上の根拠を示した.
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