研究課題/領域番号 |
16K17098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
影浦 順子 中部大学, 現代教育学部, 助教 (20704802)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高橋亀吉 / 日本資本主義論 / 新平価金解禁論 / プチ帝国主義論 / 中小工業論 / 農業経済論 / プチ・帝国主義論 / 統制経済論 / 二重構造論 / 農政論 / 弊政改革 / ワシントン体制 / 日本経済思想史 / 日本経済史 / 経済評論史 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本で最初の経済評論家・高橋亀吉の初期の経済思想について、一次史料に基づき分析したものである。これまでの高橋研究の多くは、高橋の政策提言(新平価金解禁論、プチ帝国主義論、経済統制論、金融証券論など)を断片的に論じるにとどまり、その背景にある高橋独自の日本近代化論、日本資本主義論の解明にまでは至っていなかった。本研究は、高橋の本格的研究となることを目指し、両世界大戦期において、高橋が中小工業と農業の再編を起点に、日本資本主義の根本的な改変を提起していたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本経済史・思想史において多大な影響力をもった日本マルクス主義と同様に、高橋も日本資本主義の後進性・脆弱性を厳しく指摘した人物の一人であった。日本資本主義の構造を静的に分析した際、これを開発独裁型の上からの革命による後発資本主義と認識し、下からの革命なくしては維持・発展できないと考えた点などは、マルクス主義の思想とよく似ていたと言える。しかし高橋は、暴力的な社会主義革命を必須とするマルクス主義とは異なり、産業組合や経済統制などの内部変革をつうじて日本資本主義の改良は可能であると考えた。本研究ではこうした高橋の独自な立ち位置を、具体的な政策提言のなかで明らかにした。
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