研究課題/領域番号 |
16K17244
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
森久 聡 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (20736649)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歴史的環境 / まちづくり / 観光開発 / 社会層 / 集合的記憶 / 地域活性化 / 年表 / 主体連関図 / 公共事業 / 地域社会学 / 地域開発政策 |
研究成果の概要 |
本研究では鞆の浦地区の湾整備事業をめぐる地域紛争を事例に,(1)社会層に対する聞き取り調査と(2)まちづくり年表の編纂・主体連関図の再構成を行った。 (1)については,湾整備事業の賛否と世界遺産化運動の是非,鞆の浦地区の観光地化に関して住民と行政の見解が一致していないことが確認できた。また,この不一致は湾整備事業の意見対立による相互不信の結果であることも分かった。 (2)については,郷土資料や文書資料を年表形式に編纂して鞆の浦の歴史を一覧できる基礎資料を作成した。また湾整備事業をめぐる住民論争の経緯を主体別年表に編纂した。さらに鞆の浦のまちづくりをめぐる主体連関図を再構成し,精度の向上を図った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鞆の浦は近代以前から存続してきた「伝統都市」であり,近代都市を主な対象とした都市社会学ではユニークな研究対象である。同じく都市の歴史分析では,その正の歴史認識を相対化することは少なく,一方で負の記憶の研究では近現代の論争的な事項を扱うことが多い。本研究は,一つの都市の記憶を正と負の両面から捉えている。 また本研究は,高度経済成長期の工業団地開発,バブル経済とその後の港湾整備と道路建設,そして現在の世界遺産化と観光地化の意図せざる帰結など,鞆の浦の地域政策史を辿るものである。これらは日本社会の近代化と地域開発政策史を反映したものであり,本研究は地域社会の視点から日本の地域開発を捉える試みである。
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