研究課題/領域番号 |
16K17245
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
奥井 亜紗子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (50457032)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 移動 / 自営業 / 親方子方 / 暖簾分け / 農村 / 都市 / 農村-都市移動 / 親方子方関係 / 生活史 / 農村―都市 / 調査票調査 / 社会学 / 都市移動 / 高度成長期 / 家族変動 / 地域社会 / ライフヒストリー / 家族 / 地域 |
研究成果の概要 |
本研究では、兵庫県北部但馬地方から都市飲食系自営業に流入した移動者の事例を通じて、戦後高度成長期における労働力型都市移動と家族変動のプロセスの実証的解明を行った。 京阪神を中心に「のれんわけ」で店舗展開をしてきた大衆食堂「力餅」への量的質的研究、及び「力餅」経営主を輩出してきた但馬地方でのフィールドワークを通じて、連鎖移動を通じて食堂の住込み従業員となった人々が親方のサポートのもとで独立開業するプロセスを解明した。親方子方の関係は独立後も継続しており、労働力型移動者の家族形成と都市定着のプロセスにおいて極めて重要な役割を果たしてきたことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血縁に限定されない親方子方関係のもとで都市での生活基盤を確立してきた「力餅」の事例は、近代化・都市化が家族の孤立化を帰結するという一般的イメージを覆すものである。高度成長期の都市社会において、自営業に流入した労働力型移動者の形成した「閉じない家族」の存在は、親族関係や居住集団といった、狭義の家族概念の内部で議論が収斂しがちな戦後の家族研究の潮流に一石を投じる。 また、企業社会の枠外にあった労働力型移動者が転出先で構築してきた相互扶助ネットワークの実態を明らかにした本研究は、企業に担保された人生設計や家族戦略が無効化している現代社会において多くの示唆を与えるだろう。
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