研究課題
若手研究(B)
本研究は、精神病発症リスク状態 (ARMS : At-Risk Mental State) に対するメタ認知トレーニング (MCT) の実施可能性を明らかにするために計画された。まず第1段階として、精神病に対する個人向けMCTのマニュアルに改定を加えてARMS向け個人MCTマニュアル (MCT+ARMS) を作成し、SVによる指導体制を整備した。第2段階では4名のARMS患者に予備介入を実施して介入体制を整えた。第3段階として本試験介入を開始し、現在継続的に対象者の募集を行っている。
認知行動療法(CBT)はARMSに対して有効性が認められた治療であるが、セラピストの養成には多くの時間と指導が必要とされることが普及の障壁となっている。一方、MCTはしっかりとしたマニュアルと教材が揃っており、CBTに馴染みの薄い治療者でも取り入れやすいという利点がある。今回4名に行った予備介入では一定の症状改善効果が見込まれ、また、有害事象なく安全な実施が可能であった。今後ARMSに対する認知行動的アプローチを普及していく上で、MCT+ARMSマニュアルは実用的かつ有用な教材となることが期待される。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
臨床心理学
巻: 第19巻 第2号 ページ: 165-169
精神療法
巻: 第45巻 第1号 ページ: 18-23