研究課題/領域番号 |
16K17349
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2017-2018) 広島修道大学 (2016) |
研究代表者 |
大隅 尚広 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 研究員 (50737012)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | サイコパシー / 利己性 / 表情認知 / 概念メタファー / 意味ネットワーク / 選択的注意 / 反応抑制 / 事象関連電位 / 顔表情 / 視線 / 脳波 / 注意 / 行動制御 / 共感性 / 感情 / メタファー / 反社会性 / 社会的認知 / 表情 / 実験系心理学 / 反社会的パーソナリティ |
研究成果の概要 |
サイコパシー特性が高いほど,怒りではなく悲しみに対して「下」で反応する場合の反応時間が長くなり,自己にとって無害な他者の悲しみを否定的に捉えることが難しいことを示唆した。また,正面を向いている恐怖表情に対する反応時間が長くなり,視線が逸れている恐怖表情に対する反応抑制の成績が低下した。これら結果は,自己にとって脅威とならない表情の検出は遅く,脅威を知らせる表情には過敏に反応することを示唆する。以上の結果は,サイコパシーによる表情認知の背景には自己の利害に基づく情報処理方略がある可能性を支持する。ただし,以上の結果と脳活動の関連性は明確ではなく,神経メカニズムについてはさらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サイコパシーによって攻撃行動が助長される原因の一つとして共感性の低下が挙げられている。それゆえ,サイコパシーにおける表情認知の特異性を明らかにすることは,サイコパシーの問題の中核を理解するために重要である。本研究の成果は,これまでに明らかにされてきたサイコパシーにおける表情認知の特異性を包括的に説明する新たな視点を提供した。したがって,本研究はサイコパシーにおける共感性の問題のメカニズムに関する理解を前進させたという点で大きな意義をもつ。
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