研究課題
若手研究(B)
本研究は「幼少期から成人期に至るまで、社会的情報への注目のはどのような発達的変化を示すのか」「どのような種類の社会的情報への注目が言語能力や社会性の発達に大きく関係しているか」を明らかにすることであった。人の顔の目領域の注視率は、定型発達(TD)群では5歳以降は上昇し続けるのに対し、自閉スペクトラム(ASD)群では10歳過ぎから下降していた。TD群では、人と幾何学模様を同時提示した時の人への注視率が1.5年後の社会性に正の影響を与え、ASD群ではバイオロジカルモーションへの注視率が1.5年後の言語能力に正の影響を与えることが認められた。
自閉スぺクトラム症では10歳付近から目への注視率を下げる要因が働いていることが示唆された。この結果から、アイコンタクトの異常という診断基準に含まれる事象の理由が、幼児期と思春期以降で異なることが示唆された。今後研究が進むことで、ASDの診断の際に考慮すべき点が明らかになることにつながる意味で、社会的意義は大きいと言える。また、幼少期ASDの将来の能力に影響を与える観点を明らかにできたことは、ASD特性の強い幼児への関わりに示唆を与えることができ、この点も社会的意義が大きいと言える。
すべて 2020 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Molecular Autism
巻: 11 号: 1 ページ: 24-24
10.1186/s13229-020-00321-w