研究成果の概要 |
第一に, ねじれアレキサンダー不変量とカンドルコサイクルを統一する結び目不変量の族を導入し,研究を行った.この研究は筑波大学の石井敦氏の協力のもと行った.また, 群表示からねじれアレキサンダー不変量を得る概念を一般化させ,カンドル表示から一般化されたねじれアレキサンダー不変量を得る方法を紹介した. 第二に,knot-theoretic ternary-quasigroup理論(図式の領域彩色に対応する代数系の理論)について,local biquandle理論を用いた解釈を与えた.また,シャドウバイカンドル理論との関係性についても明らかにした. 以上のことを, 国際学会や論文などで発表した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カンドル代数を用いた様々な結び目不変量の再定式化を考えることで, 不変量の計算の単純化および, 一般化による強力な不変量の構成が期待できる. 本研究では, 捩れアレキサンダー不変量やカンドルコサイクル不変量, knot-theoretic ternary-quasigroup理論のカンドル代数を用いた再定式化を与えた. 特に, 捩れアレキサンダー不変量の再定式化の応用として, 結び目の5-move同値性の判定方法を与えた. このように, 既存結び目不変量の再定式化や一般化によって, 研究の幅や手段が広がり, 今後も新たな具体的計算例や応用例が発見されることが期待される.
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