研究課題
若手研究(B)
宇宙線加速機構の解明は現代天体物理学の最大の課題のひとつである。超新星残骸(SNR)は、宇宙線加速の場として注目されてきた。我々名古屋大学の研究チームは、星間物質と超新星残骸との衝撃波相互作用に注目し、宇宙線加速や高エネルギー放射の性質に、星間物質が本質的な影響を与えていることを、銀河系のSNRについて明らかにしてきた。本研究は、これを大マゼラン雲のSNR25個に拡張した。結果として、少なくとも半数で付随する分子雲を特定した。また、ALMA電波干渉計を用いた星間分子雲の高空間分解能を遂行し、大マゼラン雲のSNRにおける宇宙線加速と衝撃波-星間雲相互作用の密接な関係を世界で初めて明らかにした。
宇宙線の起源は天文学100年来の謎であり研究意義が極めて大きい。なぜなら宇宙線は星の材料である星間雲の電離/加熱を促すため、その起源解明は「銀河や宇宙の進化」の理解に欠かせないからだ。本研究では、大マゼラン雲の超新星残骸 (SNR) に着目し、宇宙線の起源やその高エネルギー放射と周辺環境との関係を世界で初めて明らかにした。大マゼラン雲のSNRに着目した研究は前例がなく学術的意義は大きい。本研究によって得られた知見は、SNRに付随する星間雲が、銀河系以外でも宇宙線やX線・ガンマ線の発生に重要な役割を果たしていること示したものであり、人類の宇宙に対する理解を促進したという点で社会的意義も大きい。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 18件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 19件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (38件) (うち国際学会 22件、 招待講演 12件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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