研究課題/領域番号 |
16K17701
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
下村 真弥 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (70555416)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | QGP / エネルギー損失 / v2 / 重いクォーク / 軽いクォーク / クォークグルーオンプラズマ / 軽いクォークのv2 / 重いクォークのv2 / エネルギー損失の経路長依存 / クォーク・グルーオンプラズマ / クォークの質量依存性 / ハドロンのv2 / QGP中でのパートンのエネルギー損失機構 / 方位角異方性 / 実験核物理 |
研究成果の概要 |
√sNN=200GeVの金+金衝突において、ボトム(b)からくる電子とチャーム(c)からくる電子を分けて方位角異方性(v2)を測定した。結果は、bからくる電子も有限なv2を示唆しており、その大きさは、u,dに比べると低く、cに比べても系統的に低めである。さらに軽いクォークからなるハドロンの広い運動量領域での精密なv2測定を行い、QGP中を通過する距離にどのように収量の抑制が依存するかを測定した結果、エネルギー損失量が運動量に依存せず通過距離のみに依存していることを示唆する結果を得た。また√s=15TeVでのp+p衝突における重いクォークからの電子の収量分布を測定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで非常に難しいとされていた、bからくる電子とcからくる電子をわけた測定をPHENIX実験に新たに導入したシリコン飛跡検出器を使って行い、さらにそこから初めて方位角方向の異方性v2の測定に成功した。これにより質量の大きいクォークは、エネルギー損失を受けにくいという理論予想を実験的に示すことができ、さらに行った軽いクォークの精密なv2の研究と合わせて、エネルギー損失のメカニズムの解明に大きく貢献した。また、この測定に刺激されて他の原子核衝突実験でも次々に識別した重いクォークのv2測定が行われ、結果が発表された。
|