研究課題/領域番号 |
16K17713
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
福井 徳朗 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 博士研究員 (40757118)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 原子核 / クラスター構造 / 移行反応 / 理論核物理 |
研究実績の概要 |
系が弱く束縛した原子核では、強束縛な原子核における“常識”が覆され、これまで考えられなかった奇異な構造を持った弱束縛状態の存在が示唆されている。そのような状態として着目されている不安定核におけるαクラスター構造および安定核の励起状態におけるαガス状態の存在の有無を、移行反応の精密な解析により、観測量を用いて決定することが本研究の目的である。 平成28年度は安定核の共鳴状態への移行反応を精密に記述する模型の開発に取り組んだ。共鳴状態などの散乱状態への移行反応に対して、従来用いられてきたpost formと呼ばれる方法(移行反応を終状態相互作用による量子力学的遷移として記述する)を用いると、断面積計算の際の積分が収束しないという問題がある。これを解決するために、新たにprior formと呼ばれる手法(終状態ではなく始状態の相互作用によって移行反応を記述する)を適用する模型の開発に着手した。 具体的にはd + 4He ---> p + 5He (dは重陽子、pは陽子)という中性子移行反応によって5Heの共鳴状態を生成する反応を、prior formに基づく模型で記述し、断面積が収束することを確かめた。またこの模型で計算した断面積の角度分布が実験値とよく整合することを確認した。この模型は、本研究で対象とする安定核の励起状態におけるαクラスター共鳴状態の分析に適用可能であり、そのための準備が整ったことになる。 なお、9月に研究代表者が所属機関を退職し、国外へ異動したことに伴い、科研費応募資格を喪失した。そのため、研究期間を短縮し初年度の6ヶ月間のみ、本研究に従事した。
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