研究課題
若手研究(B)
ハドロンと原子核間の強い相互作用の研究における強力な手法の一つであるハドロニック原子X線分光の精度を向上させるため、優れたエネルギー分解能を持つ超伝導遷移端型マイクロカロリメータ(TES)を大強度ハドロンビーム環境下で応用する手法の確立を目指した。特に荷電粒子直撃による分解能悪化及び背景事象の増加という問題や、限られた検出器を立体角を最大限活かすインテグレーション手法に関する研究をすすめ、J-PARCでのK中間子ヘリウム原子X線分光実験の成功へ繋げた。
超伝導遷移端型マイクロカロリメータ(TES)は近年開発の進展が著しい高分解能なX線検出器であるが荷電粒子が多数飛び交う環境での利用は難しいと考えられていた。本研究ではそれらを克服して既存の加速器実験装置群と組み合わせて実験を遂行する応用手法を確立した。我々はこれにより従来にない高精度のX線測定でK-中間子の原子核中でのポテンシャルを検証することに貢献しようとしている。本研究の成果であるTES検出器応用技術は他の加速器環境やX線衛星でも利用可能であり幅広いサイエンスへの展開が期待される。
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すべて 国際共同研究 (7件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
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