研究課題/領域番号 |
16K17723
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阪野 塁 東京大学, 物性研究所, 助教 (00625022)
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研究協力者 |
小栗 章
小林 研介
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 近藤効果 / 量子ドット / 非局所相関 / 量子輸送 / 量子相関 / 電子輸送 / フェルミ流体 / 繰り込まれた摂動論 / 電流交差相関 / 電流揺らぎ / 量子もつれ / 物性理論 / メゾスコピック系 / 強相関電子系 |
研究成果の概要 |
半導体ナノスケール素子によって組み上げられた人工量子系中で観測される、量子多体効果の性質を電流ゆらぎを用いて明らかにした。特に制御された素子の持つ対称性の効果と、多体効果によって形成された量子もつれ状態の特性を明らかにした。具体的にはカーボンナノチューブ量子ドットの近藤効果を磁場やゲート電圧、電極の接合を変化させることにより非線形電流や電流ゆらぎに現れる、フェルミ流体特性を超えた補正項の性質を実験、理論により明らかにした。また、2重量子ドットに電流中に近藤効果によって励起された量子もつれの性質を明らかにし、ベルの不等式を用いた量子もつれによる非局所相関の実証方法を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で調べられた近藤効果は、電子による多体効果の最も基本的な現象である。その現象の低エネルギーでの発現機構は50年以上に渡って徹底的に研究されてきて、すでによくわかっている。しかし、動的性質についてはまだ未解決で重要な問題が多く、今日まで研究が続いている。さらに、近藤効果の動的性質の理解を深めることは、物質の機能・性質を明らかにする重要な鍵となる。また、近藤効果は磁気モーメントなど電子の持つ特性に非常に敏感であり、ナノスケール素子で量子多体効果の制御と観測の成功は、電子の性質を利用する新しい微小デバイスの加工、制御技術の向上に大きく貢献すると考えられる。
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