表面合金原子層におけるラシュバ超伝導体の探索

• 研究課題/領域番号: 16K17727
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 物性Ⅰ
• 研究機関: 国立研究開発法人物質・材料研究機構
• 研究代表者: 吉澤 俊介 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, ICYS 研究員 (60583276)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2016年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
• キーワード: 超伝導 / ラシュバ効果 / 電気伝導 / 原子層 / 表面・界面構造 / 表面・界面物性 / 走査トンネル顕微鏡 / 第一原理計算

研究成果の概要

半導体表面に成長する原子層物質において、ラシュバ効果によるバンドのスピン分裂を伴いかつ超伝導が発現しているような「ラシュバ超伝導体」を見つけ、その物性を明らかにする目的で研究を行った。インジウム原子層超伝導体 Si(111)-(√7×√3)-In の面直・面内磁場中電気抵抗測定から、面内磁場に対する臨界磁場は、この物質の臨界温度（3 K）に対応するパウリ極限（6 T）を超えると見積もられた。第一原理計算から、エネルギーバンドがスピン分裂していることが示され、この物質がラシュバ超伝導体であるために臨界磁場が増大していることが分かった。

研究成果

• [雑誌論文] Controlled Modification of Superconductivity in Epitaxial Atomic Layer-Organic Molecule Heterostructures (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, E. Minamitani, S. Vijayaraghavan, P. Mishra, Y. Takagi, T. Yokoyama, H. Oba, J. Nitta, K. Sakamoto, S. Watanabe, T. Nakayama, and T. Uchihashi
  • 雑誌名: Nano Lett. 巻: 17 号: 4 ページ: 2287-2293
  • DOI: 10.1021/acs.nanolett.6b05010
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 走査トンネル顕微鏡によるジョセフソン渦の観測 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介
  • 雑誌名: パリティ 巻: 31(9) ページ: 34-37
  • NAID: 40020912460
  • 査読あり
• [学会発表] Imaging the displacement field of atomic-layer indium by using scanning tunneling microscopy and density functional theory (2018)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, K. Sagisaka, D. Fujita, and T. Uchihashi
  • 学会等名: MANA International Symposium 2018
  • 国際学会
• [学会発表] Si(111)-(√7×√3)-In 表面における一軸性格子不整合の実空間 観測 (2018)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介, 鷺坂 恵介, 藤田 大介, 内橋隆
  • 学会等名: 第16回SPring-8ユーザー協同体顕微ナノ材料科学研究会・日本表面科学会放射光表面科学研究部会・プローブ顕微鏡研究部会合同シンポジウム
• [学会発表] Si(111)-(√7×√3)-In の面内磁場中超伝導特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介，内橋隆
  • 学会等名: 日本物理学会 第72回年次大会
  • 発表場所: 大阪大学 豊中キャンパス
  • 年月日: 2017-03-19
• [学会発表] Robust superconductivity of atomic-layer indium under in-plane magnetic fields (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, T. Uchihashi
  • 学会等名: MANA International Symposium 2017
  • 発表場所: Tsukuba, Ibaraki, Japan
  • 年月日: 2017-03-01
  • 国際学会
• [学会発表] Superconductivity of Si(111)-(√7×√3)-In in parallel magnetic fields (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, K. Sagisaka, D. Fujita, and T. Uchihash
  • 学会等名: The 8th International Symposium on Surface Science (ISSS-8)
  • 国際学会
• [学会発表] Si(111)-(√7×√3)-In の STM/STS と DFT (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介, 鷺坂 恵介, 藤田 大介, 内橋隆
  • 学会等名: 日本物理学会 2017年秋季大会
• [学会発表] 傾斜シリコン基板上インジウム原子層の超伝導 (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介, 鷺坂 恵介, 藤田 大介, 内橋隆
  • 学会等名: 第25回渦糸物理国内会議
• [学会発表] シリコン表面インジウム原子層の磁場中超伝導特性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介, 内橋隆
  • 学会等名: 第24回渦糸物理国内会議
  • 発表場所: あきた芸術村
  • 年月日: 2016-11-28
• [学会発表] 吉澤俊介, 松葉健, 茂筑高士, 平田和人, 西田信彦 (2016)
  • 著者名/発表者名: 走査トンネル分光法による Bi2Sr2CaCu2O8+δ の非平衡渦糸観測
  • 学会等名: 物性研短期研究会「走査トンネル顕微鏡による物性研究の現状と展望」
  • 発表場所: 東京大学物性研究所
  • 年月日: 2016-10-31
• [学会発表] Exploring magnetic-field-tolerant superconductivity in atomic-layer materials (2016)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, T. Uchihashi
  • 学会等名: NIMS WEEK 2016
  • 発表場所: 東京国際フォーラム
  • 年月日: 2016-10-21
• [学会発表] STM/STS による Bi2212 渦糸芯のコンポジット撮影 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉澤俊介, 松葉健, 茂筑高士, 平田和人, 西田信彦
  • 学会等名: 日本物理学会 2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学 角間キャンパス
  • 年月日: 2016-09-14
• [学会発表] Scanning tunneling microscopy study of Josephson vortices in superconducting atomic-layer indium (2016)
  • 著者名/発表者名: S. Yoshizawa, H. Kim, T. Kawakami, Y. Nagai, T. Nakayama, X. Hu, Y. Hasegawa, and T. Uchihashi
  • 学会等名: 3rd. TOYOTA RIKEN International Workshop "Dynamics of Electron Vortex and Spin Vortex"
  • 発表場所: Nagoya, Japan
  • 年月日: 2016-07-01
  • 国際学会 / 招待講演
• [備考] 原子層超伝導の磁性分子による精密制御に成功 （プレスリリース）
  • URL: http://www.nims.go.jp/news/press/2017/04/201704070.html