研究課題/領域番号 |
16K17752
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
渡邉 努 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (20402555)
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研究協力者 |
那須 譲治
宮田 考史
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 励起子絶縁体 / 変分モンテカルロ法 / 2軌道ハバード模型 / 励起子秩序 / 物性理論 |
研究成果の概要 |
新奇光学デバイスとしての応用化が期待される励起子絶縁体の実現性を明らかにするため,変分モンテカルロ法を用いた数値解析を行った。励起子絶縁体に対する格子模型として,物質に応じて相関強度と軌道間準位差を自由に変えることができる一般的な2軌道ハバード模型を採用した。励起子絶縁体の実現については未だ実験的な確証が得られていないが,本研究の計算結果はコバルト系酸化物をはじめとする強相関系物質において,励起子絶縁体が広いパラメータ領域で普遍的に安定化することを明らかにした。今後,多くの物質で励起子絶縁体が実験的に観測されることが期待され,その応用化も十分可能であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で調査した励起子絶縁体は,従来の半導体に代わる新奇スイッチング電子デバイスとしての応用化が期待されている。励起子絶縁体の存在については50年以上前から理論的に認識されてきたが,私たちの研究は変分モンテカルロ法という非摂動計算を用いることで,より現実の物質に近い格子模型で励起子絶縁体の実現性を明らかにした。この手法は現代の高速計算機を利用しており,50年以上前にはできなかった高精度の計算手法である。実際に,本研究結果は励起子絶縁体に相当する秩序状態が,これまで計算が困難であった強相関系で十分な安定性を持つことを示しており,今後実験的に多くの物質で発見される可能性が高いことを示唆している。
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