研究課題/領域番号 |
16K17764
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
新山 友暁 金沢大学, 機械工学系, 助教 (00583858)
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研究協力者 |
下川 智嗣
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 自己組織化臨界 / 塑性変形 / 結晶 / アモルファス固体 / ベキ乗則 / 転位 / 結晶粒界 / 物性基礎論 / 非平衡・非線形物理学 |
研究成果の概要 |
結晶材料におけるベキ分布で特徴付けられる臨界的な塑性変形挙動に対して、固体材料の個別的な性質(とくに格子構造や各種の欠陥生成エネルギーおよび初期欠陥構造)が及ぼす影響を調べた。この結果、結晶粒界や不規則固体における緩和構造などの初期構造は分布の最大規模のみに影響し、普遍性に関係する指数には影響しなかった。一方で、異なる格子構造をもつ材料種間では差異がみられたが、同じ格子構造をもつ系においても異なる指数を示すものがあった。これは積層欠陥エネルギーの違いが転位の運動自由度に影響した結果であると推測され、固体の個別的な性質が塑性変形の臨界挙動の普遍性に影響しうることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶材料の塑性現象は金属構造材料の変形に対応し、その使用時の耐久性や加工性能などと密接に関わっている。本課題は、この塑性現象を非平衡物理学の文脈から問い直すアプローチである。この文脈では、結晶塑性全体をひとつの描像で記述することが想定されていたが、これは臨界挙動に期待される普遍性に依拠していた。これに対して、本課題の結果は、結晶塑性には多様性が包含されており、材料固有の特性を加味する必要があることを明らかにした。このことは、他の非平衡系の臨界挙動においても多様性の影響が無視できないということを示唆しており、材料科学だけでなく非平衡物理学の文脈においても新たな課題を提起することにつながった。
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