研究課題/領域番号 |
16K17789
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 東京大学 (2019) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2016-2018) |
研究代表者 |
大谷 真紀子 東京大学, 地震研究所, 助教 (80759689)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 地震発生サイクル / 粘弾性 / 等価体積力法 / H行列法 / EnKF法 / 粘弾性媒質 / 境界要素法 / データ同化 / 粘性率 / クーロン応力 / 三次元粘性構造 / 応力場 / 断層すべり / 地震 |
研究成果の概要 |
非線形粘弾性媒質中を考慮した地震発生サイクルシミュレーション実施に向け、非弾性ひずみを等価外力として扱うことで粘弾性媒質の効果を弾性体中のグリーン関数を用いて考慮する方法(等価体積力法)に、密行列圧縮手法であるH 行列法を導入し、高速計算法を構築した。これにより粘弾性領域の離散セル数Nに対して計算量はO(N**2)からO(NlogN)に削減された。粘弾性計算の例として、2018年北海道胆振東部地震発生後の粘弾性応力緩和変形によるクーロン応力変化(ΔCFF)の推移を、胆振東部地震周辺の断層で評価した。また、データ同化手法を用いて、巨大地震後の地殻変動から地下の粘性構造を推定する手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、巨大地震発生の理解と予測を目指し、実際の巨大地震発生領域を対象として地下の粘弾性領域における応力緩和の影響を考慮した大規模地震発生サイクルシミュレーションを実施するために、計算手法の開発を行った。本手法は比較的小さい計算コストで、断層の三次元幾何形状、非線形粘弾性や不均質な粘性構造等複雑な地下の状態をある程度反映することができる。また実際にシミュレーションを実施するのに必要となる地下の粘弾性構造を、モデルとデータの両方に依拠するデータ同化手法によって推定する手法の枠組みを作成した。今後本手法を拡張すれば、地震発生後の余効変動に含まれる各成分の切り分けにも役立つと考えられる。
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