研究課題/領域番号 |
16K17827
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
椎野 勇太 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60635134)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 古生物 / 化石 / 古生代 / 進化 / 古生態 / バイオメカニクス / 適応 / 絶滅 / 流体力学 / 層位古生物 / 流体工学 / 地球科学 / 進化多様性 / 形態 / 機能形態学 / 適応放散 / 腕足動物 |
研究成果の概要 |
腕足動物オルティス目は,約4.5億年前のオルドビス紀に劇的な多様化を遂げた代表的な海洋無脊椎動物である.本研究は,オルティス目に属するプラチストロフィア類の適応放散様式を理解するために,殻形態と濾過摂食水流との関係を流体力学的視点から検討することを目的とした.流水実験の結果,プラチストロフィア類が備えた殻形態は,螺旋状の渦流を受動的に形成する機能を備えていたことがわかった.また,プラチストロフィア類に特有のジグザグ縫合線は,殻内側で生じる流れを弱化させる機能を備えてることが判明した.このような形態機能によって,プラチストロフィア類に認められるロバストな適応戦略が実現されていたのかもしれない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来,プラチストロフィア類の殻形態は,デボン紀に大繁栄した腕足動物スピリファー類の殻形態とよく似ており,遺伝的な関係性が示唆されてきた.本研究では,この形態的特徴に共通の生態表現型であったことを見出し,収斂進化によって得られた結果的な類似性であったことを初めて定量的に解明した.また,濾過摂食を担う触手冠の情報が欠如していたオルティス類について,実現可能な触手冠形態を流体力学的な視点から提示することに成功した.また,生物の機能形態的な進化に対する理解を深めるだけでなく,バイオミメティクスやバイオエンジニアリングの新領域として,過去に失われた太古の機能デザインを発掘する挑戦的な研究でもある.
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