研究課題
若手研究(B)
本研究課題では,真獣類が初期の多様化を始めたと考えられる前期白亜紀の後半に,アジアの哺乳類相がどのように変化したのかを詳しく明らかにすることを目的とし,中国遼寧省阜新地域において哺乳類化石の発掘調査をおこない,同地域の沙海層・阜新層産哺乳類化石群に関する分類学的検討を進めた.発掘調査で新たに見つかった標本と,これまでに収集していた標本をあわせて研究し,真三錐歯類と多丘歯類の新種等に関する記載論文を公表した.また懸案となっていた過去に記載された真獣類の再記載もおこなった.沙海層・阜新層産の化石群の全貌が見えてきたことで,前期白亜紀の後半のアジアにおける哺乳類相変遷が徐々に明らかになりつつある.
真獣類は現生哺乳類種数の90%以上を占めるグループで,中生代の中期ジュラ紀 (あるいは遅くとも前期白亜紀の中頃まで) に出現後,前期白亜紀の後半には初期の多様化を始めたらしいことが化石記録でわかってきた.真獣類の初期進化の中心であったと考えられるアジアにおいて,真獣類の多様化に伴い哺乳類相の構成がどのように変化したのかを知ることは,哺乳類の進化史を探るうえで重要なテーマである.現在その時代の様子を知ることができる化石群の調査を進めており,徐々に当時のアジアの哺乳類相変遷が明らかになりつつある.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Vertebrata PalAsiatica
巻: 58 ページ: 45-66
Journal of Mammalian Evolution
巻: - 号: 4 ページ: 605-623
10.1007/s10914-019-09481-w
巻: 56 ページ: 180-192