研究課題
若手研究(B)
米国ラストベルトの人口減少都市では、産業の衰退に伴い、大規模な工場跡地と労働者が居住した住宅地の空き地の発生が課題である。本研究の結果、①都市マスタープラン改訂等による全市的な低未利用地への対応戦略の策定、②NPOや住民による空き地の維持管理、③上記の①と②を支える土地所有の再編支援という三種類の対応が、相互に連携しながら進められている実態が明らかになった。加えて、産業と住宅、緑地という異なる方向性を状況に応じて選択可能な可変性の高いゾーニングを、将来像に掲げる都市が複数観察された。人口減少下では、事前確定的な従来の計画手法には限界があり、可変性が高い枠組み型の計画のあり方の検討が求められる。
我が国では人口減少が進み、空き地や空き家が都市においても深刻な課題となりつつある。本研究は、都市部において大規模な人口減少を経験した米国の衰退工業地域を対象に、空き地・空き家が増加した状況下の都市計画のあり方を調査した。人口減少のメカニズムが日本と異なる点はあるが、住民や非営利団体による空き地管理や、都市的利用から自然的土地利用への再転換を可能とする土地利用計画の手法と、それらの手法を現実に社会実装した際の課題を明らかにすることができた。
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