研究課題/領域番号 |
16K18271
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
金属・資源生産工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白山 栄 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70758416)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コバルト / リサイクル / ポリエチレングリコール / チオシアン酸錯体 / ゲル / 溶媒抽出 / 電解 / チオシアン酸 / 電解採取 / Triton-X / 湿式分離 / 反応エンタルピー / 反応・分離工学 / 湿式プロセス |
研究成果の概要 |
コバルト(Co)を含む水溶液にチオシアン酸カリウム(KSCN)とポリエチレングリコール(PEG)を添加し、ゲル状化合物中にCoを回収するプロセスについて評価し、成立性を確認した。工程は(1)Coゲル状化合物生成、(2)ゲル状化合物の再溶解とCoの溶媒抽出、(3)Coの電解採取に分けることができる。 (1)ではゲル状化合物の生成条件を明らかにするとともに、生成反応式を仮定し反応エンタルピーを求めた。(2)ではゲル化剤の共存がCoの抽出に与える影響と、続く電解で要求されるCo/Ni比を達成する抽出条件、電解時に残存する不純物濃度を明らかにした。(3)では不純物がCoの電着性に与える影響を調査した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リチウムイオン電池(LIB)のスクラップから有価元素であるコバルト(Co)を効率よく回収することを目的に提案したプロセスについて、各工程における濃度条件などを定量化し、具体的なプロセス条件を決定するための指針を得ることができた。ゲル状化合物の析出反応に関する定量化と考察は学術的に新しいデータである。さらに、ゲル状化合物を工業的に利用する段階で、ゲル化剤が水溶液中に混入することによる溶媒抽出や電解への影響が明らかになった。従来、製錬の分野では利用されていなかったゲル状化合物を有価元素の回収媒体として考え、積極的に利用できる可能性を示したほか、プロセス設計に必要な知見を得ることができた。
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