研究課題
若手研究(B)
本研究では、報酬学習・記憶に関与する転写関連因子を同定するため、転写共役因子CBP/p300 を固相化したビーズによるアフィニティ精製と質量分析を行い、100種以上の転写関連因子を同定した。転写因子Npas4はドーパミンの下流でPKAを介しMAPKによってリン酸化されることで、Npas4とCBPとの結合量が増加し、転写活性が増強した。側坐核のD1受容体発現細胞で特異的にNpas4を欠損させたマウスでは、報酬学習・記憶能の低下が認められた。したがって、Npas4がMAPKによるリン酸化依存的にCBPと結合し、BDNFなどの遺伝子発現を調節することで、報酬学習・記憶に関与することが示唆された。
ドーパミンの下流で働くリン酸化酵素により、リン酸化される主要な転写因子が明らかになり、ドーパミンによる遺伝子発現の制御機構、並びに、情動記憶形成の制御機構の一端が解明された。これらの成果は、基礎神経科学において重要というだけでなく、統合失調症やうつ病、薬物依存症、パーキンソン病などの精神・神経疾患の病因・病態解明や診断・治療法の確立等の医学分野に貢献する可能性が高い。
すべて 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件) 備考 (2件)
Current Protocols in Chemical Biology
巻: 11 号: 1
10.1002/cpch.60
Neurochemistry International
巻: 122 ページ: 8-18
10.1016/j.neuint.2018.10.008
The Journal of Biochemistry
巻: 165 号: 4 ページ: 301-307
10.1093/jb/mvy115
Cell Structure and Function
巻: 41 号: 2 ページ: 105-120
10.1247/csf.16011
130005405432
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/Yakuri/index.htm
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/Yakuri/index.htm