転写因子MafBによる腫瘍随伴マクロファージ増殖の制御

• 研究課題/領域番号: 16K18398
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 実験動物学
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 濱田 理人 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20567630)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: MafB / 腫瘍随伴マクロファージ / 転写因子 / 悪性腫瘍 / マクロファージ / 脾臓 / 腫瘍 / TAM / macrophage

研究成果の概要

腫瘍随伴マクロファージ（TAM）は、増殖因子、血管新生因子、免疫抑制因子などを発現することにより腫瘍増殖を促進する能力を持つ細胞群である。本研究では、転写因子MafBの新たな機能を解明し、脾臓におけるマクロファージを標的とした新たな癌治療法開発を目指す。マクロファージ特異的にMafbを欠損させたマウス（MafbCKO）にマウス肺がん細胞を皮下移植すると、腫瘍の大きさが顕著に大きくなるという結果が得られている。また腫瘍内のマクロファージ数を測定したところMafbCKOの腫瘍内のマクロファージ数は増加することが明らかとなった。これはMafBは腫瘍内のマクロファージ数を決定する因子であることを示す。

研究成果の学術的意義や社会的意義

MafBを欠損した脾臓マクロファージは、IL-6の発現が亢進し、脾臓のHSCやマクロファージ前駆体のM-CSFの取り込みを促進させてしまうことによって、TAM数を増加させ、腫瘍成長を促進することが明らかとなった。この機構は、脾臓におけるTAMの産生メカニズムを明らかにした新しい発見であり、さらなる詳細な解析によって今後の新たながん治療の基盤確立にも繋がると考える。

研究成果

• [雑誌論文] Mice harboring an MCTO mutation exhibit renal failure resembling nephropathy in human patients (2019)
  • 著者名/発表者名: Yuki TSUNAKAWA, Michito HAMADA, Yurina MATSUNAGA, Sayaka FUSEYA, Hyojung JEON, Yuji WAKIMOTO, Toshiaki USUI, Maho KANAI, Seiya MIZUNO, Naoki MORITO, Satoru TAKAHASHI
  • 雑誌名: Experimental Animals 巻: 68 号: 1 ページ: 103-111
  • DOI: 10.1538/expanim.18-0093
  • NAID: 130007604455
  • ISSN: 0007-5124, 1341-1357, 1881-7122
  • 査読あり
• [雑誌論文] MafB is a critical regulator of complement component C1q (2017)
  • 著者名/発表者名: Tran, M.T.N., Hamada, M., Jeon, H.J., Shiraishi, R., Asano, K., Hattori, M., Nakamura, M., Imamura, Y., Tsunakawa, Y., Fujii, R., Kulathunga, K., Andrea, C.S., Koshida, R., Kamei, R., Matsunaga, Y., Kobayashi, M., Oishi, H., Kudo, T. and Takahashi, S.
  • 雑誌名: Nature Commun. 巻: 8 号: 1 ページ: 1700-1700
  • DOI: 10.1038/s41467-017-01711-0
  • NAID: 120007128749
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 転写因子MafBのマクロファージにおける機能解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 濱田理人
  • 学会等名: 第65回日本実験動物学会
  • 招待講演
• [学会発表] Homeostatic function of MafB in macrophages (2018)
  • 著者名/発表者名: 濱田理人
  • 学会等名: 47th annual scientific meeting International society for experimental hematology
  • 国際学会
• [学会発表] The transcription factor MafB is critical regulator of complement component C1q (2018)
  • 著者名/発表者名: 濱田理人
  • 学会等名: The 17th International Joint Mini-Symposium on Molecular and Cell Biology among KU-NTU-UT
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 創傷治癒における転写因子MafBの機能解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 井上由理、綱川祐貴、濱田理人、高橋智
  • 学会等名: 第41回日本分子生物学会
• [学会発表] 創傷治癒における転写因子MafBの機能解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 井上由理、綱川祐貴、濱田理人、高橋智
  • 学会等名: 第７回 筑波大-理科大合同リトリート
• [学会発表] MafB inhibits tumor growth through regulating the population of Tumor-associated macrophages (2017)
  • 著者名/発表者名: 今村優希
  • 学会等名: 15th international congress on Targeted anticancer therapies
  • 発表場所: Marriott Rive Gauche Hotel and Conference Center, France
  • 年月日: 2017-03-05
  • 国際学会
• [学会発表] MafB は腫瘍随伴マクロファージを抑制し腫瘍増殖を制御する (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上由理
  • 学会等名: 2017年度生命科学系学会合同年次大会
• [学会発表] MafB は脾臓における腫瘍随伴マクロファージ前駆体を制御し、がんを抑制する (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤井梨沙
  • 学会等名: 2017年度生命科学系学会合同年次大会
• [学会発表] MafBは腫瘍随伴マクロファージ数を制御し、がんを抑制する (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤井梨紗
  • 学会等名: 第5回筑波大学東京理科大学合同リトリート
  • 発表場所: 東京理科大学 野田キャンパス （千葉県野田市）
• [学会発表] MafB inhibits tumor growth through regulating the population of Tumor-associated macrophages in the spleen (2016)
  • 著者名/発表者名: 今村優希
  • 学会等名: 第45回日本免疫学会学術集会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター (沖縄県宜野湾市）
  • 年月日: 2016-12-05
• [学会発表] MafBは腫瘍随伴マクロファージ数を制御し、がんを抑制する (2016)
  • 著者名/発表者名: 藤井梨紗
  • 学会等名: 第39回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜 （神奈川県横浜市)
  • 年月日: 2016-11-30
• [学会発表] The role of MafB in Tumor-associated macrophages and tumor growth (2016)
  • 著者名/発表者名: 今村優希
  • 学会等名: 第39回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市)
  • 年月日: 2016-11-30
• [学会発表] The role of MafB in tumor growth. (2016)
  • 著者名/発表者名: 藤井梨紗
  • 学会等名: Tsukuba Global Science week 2016
  • 発表場所: つくば国際会議場 (茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-09-17
  • 国際学会
• [学会発表] MafB inhibits tumor growth through regulating the population of Tumor-associated macrophages in the spleen (2016)
  • 著者名/発表者名: 今村優希
  • 学会等名: Tsukuba Global Science week 2016
  • 発表場所: つくば国際会議場(茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-09-17
  • 国際学会
• [学会発表] Transcription factor MafB is indispensable for homeostatic function of macrophages (2016)
  • 著者名/発表者名: 濱田理人
  • 学会等名: 第24回マクロファージ分子細胞生物学国際シンポジウム（MMCB2016）
  • 発表場所: sola city Conference Center, （東京都千代田区）
  • 年月日: 2016-06-04
  • 国際学会 / 招待講演
• [備考] からだの死細胞を取り除く仕組みの解明
  • URL: http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201711221900.html