研究課題
若手研究(B)
悪性脳腫瘍であるグリオブラストーマ (GBM)に対する抗がん剤は、ほぼテモゾロミド1種類だけであり、テモゾロミドの効果がない場合に他の抗がん剤を選ぶ選択肢が少ない。我々はグリオーマの研究からハイグレードグリオーマにおいてRelB-NF-κB2のシグナルが活性化することを明らかにした。このためグリオーマの抑制にはRelB-NF-κB2のシグナルを抑制する方法が効果的と考えられた。そこでRelB-NF-κB2シグナル阻害剤の探索するために、RelAシグナルを認識しないRelBシグナルモニタリング細胞を開発した。
RelB遺伝子の活性化モニタリング細胞を開発することにより、RelB活性化型のGBMに対する抗がん剤の検索が可能になった。このことによりGBMに対する治療の選択肢を増やし、発症後の生存年数や病状が抑えられた期間を延長させること及び再発の防止ができる可能性を見出した。またGBMにおいてもCrispr/Cas9システムを用いたゲノム編集が可能であったため、Eva1やRelBを分子標的としてゲノム編集を用いたこれまでにない治療方法開発の方向性を見出した。
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Stem Cells
巻: - 号: 8 ページ: 2016-2025
10.1002/stem.2380