研究課題
若手研究(B)
病態を呈するHCV構造蛋白質CN2発現トランスジェニック(Tg)マウスとHCV全蛋白質CN5発現Tgマウスを作製し、HCV非構造蛋白質N25発現組換えワクシニアウイルス(rVV-N25)のHCV治療ワクチン効果を調べたところ、N25領域に病態正常化作用と細胞性免疫再賦活化による肝臓内ウイルス抗原排除効果を見出した。異なる領域のDNAワクチンとrVVとのheterologous prime-boost接種により細胞性免疫をより強力に誘導し、肝臓内のウイルス抗原を排除する事を見出した。さらにN25領域の細胞性免疫再賦活化と抗原排除にはNS5Aが関与していることを見出した。
近年高い著効率を示す抗HCV薬が開発されたが、大変高価であるため途上国などでは経済的に厳しく使用することができない。安価で安全な治療ワクチンの開発が急務である。 我々が作製したrVV-N25は肝臓の病態正常化およびウイルス抗原排除能を示し、さらにN25とは異なる領域のDNA/rVV prime-boost接種により強力に治療ワクチン効果が高まり、抗原排除にはNS5A領域が関与することがわかった。rVV-N25の母体は小児への接種実績のある安全性の高い天然痘ワクチン株であり、GMP準拠で作成しているため治療ワクチンとしてそのまま使用できる。今後は作用機序解明により開発を遂行できると考える。
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Scientific Reports
巻: 7 号: 1 ページ: 325-325
10.1038/s41598-017-00282-w
http://www.igakuken.or.jp/infectious/
http://www.igakuken.or.jp/project/to-tomin/to-pro03.html