研究課題
若手研究(B)
海洋真正細菌から発見された光駆動プロトンポンプであるプロテオロドプシン(PR)のアルカリ性条件下で起こるプロトン輸送方向の逆転の分子機構を明らかにすることが本研究の目的である。アルカリ性条件下でのフォトサイクルとその過程で起こるプロトン移動の解析から、アルカリ性では中性の条件下で見られるフォトサイクルに加え、M様の中間体(Ma)を経由するパラレルなフォトサイクルが出現し、このとき中性とは逆の順番・向きでプロトン移動が起こることが明らかになった。また、ヒドロキシルアミンによるブリーチ実験からPRの細胞質側の膜貫通領域が暗状態のときからすでに親水的な環境になってることを示唆する結果を得た。
本研究による結果から、微生物型ロドプシンのプロトン輸送の方向を決める機構は何かという本質的な問題を考える上での1つの役立つ情報が得られたものと考える。さらに、海洋でのエネルギー合成が主な役割であるとこれまで考えられてきたPRに別の機能も存在する可能性があるという問題も提起し、近年見つかってきている内向きプロトンポンプ型の微生物型ロドプシンの生理的な機能を考える上でも重要な情報を提供するものと考えている
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (15件)
Photochemistry and Photobiology
巻: 94 号: 4 ページ: 705-714
10.1111/php.12917
Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology
巻: 183 ページ: 35-45
10.1016/j.jphotobiol.2018.04.012
FEBS Letters
巻: 592 号: 18 ページ: 3054-3061
10.1002/1873-3468.13219
Biophysics and Physicobiology
巻: 14 号: 0 ページ: 49-55
10.2142/biophysico.14.0_49
130005464474
BBA-BIOENERGETICS
巻: 1857 号: 12 ページ: 1900-1908
10.1016/j.bbabio.2016.09.006
120006366475