研究課題
若手研究(B)
本研究は、Dscamが細胞自律的に軸索分枝を形成する分子機構を明らかにすることを目的とした。まず始めにDscamと生化学的に相互作用する分子をスクリーニングし、2つの細胞骨格制御因子を同定した。機能損失変異と強制発現の解析によって、これらの分子が軸索分枝形成の制御因子であることも明らかになった。さらにDscamとそれら2分子の関係を遺伝学的に解析した結果、3者が同一のシグナル経路で軸索分枝形成に寄与していることが明らかになった。
軸索側枝形成には、既存の主軸索の特定の地点から軸索が新たに形成され、それぞれが異なる目的地へ投射される必要がある。申請者らは、(1)Dscamが軸索側枝形成のマスター因子であること、(2)Dscamシグナルの時空間制御が軸索側枝形成に必要であることをこれまでに見出してきた。本研究では、これまで不明だったDscamシグナルの分子機構を明らかにすることができた。本成果は、軸索側枝形成の分子機構の解明に大きく貢献するばかりでなく、損傷を負った軸索に対してDscamシグナルを時空間操作することによって軸索側枝の形成を誘導し、軸索を再生させることができる可能性を提示することができた。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
EMBO J
巻: 38 号: 6
10.15252/embj.201899669