研究課題/領域番号 |
16K18586
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡邉 英博 福岡大学, 理学部, 助教 (90535139)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 嗅覚情報処理 / 昆虫 / 投射ニューロン / 触角葉局所介在ニューロン / GABA / 並行情報処理 / ワモンゴキブリ / 触角葉 / 嗅覚平行処理 / フェロモン / 嗅覚投射ニューロン / 嗅感覚細胞 / 触角 / 局所介在ニューロン / 免疫組織染色 / 嗅覚 / 匂い / 嗅覚並行処理 / 時間的符号化 / 匂い応答特性 / 脳内並行処理経路 |
研究成果の概要 |
ワモンゴキブリには抹消から中枢まで形態学的に隔離した平行嗅覚経路が存在する。脳内では形態学的に異なる1型と2型投射ニューロンにより平行嗅覚経路が形成されており、細胞内記録法によりこれらの投射ニューロンは異なる嗅覚応答特性を持ち、匂いの異なる特徴を抽出して並行処理を行っていることが明らかになった。2種類の投射ニューロンは一次嗅覚中枢で局所介在ニューロンによって架橋される。投射ニューロンと局所介在ニューロンの同時記録や薬理学的研究により、投射ニューロンの応答には嗅感覚細胞からの直接入力によって引き起こされるものと、局所介在ニューロンによって引きこされる二種類の応答成分があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では原始的な昆虫であるワモンゴキブリにおいて、匂い物質を処理する脳内並行経路を発見し、それぞれの経路で匂いの濃度や質など異なる側面を抽出し処理していることが明らかになった。このような平行嗅覚路は哺乳類では一般的に報告されているが、昆虫ではミツバチで報告されているのみで、その匂い情報抽出の神経基盤はわかっていなかった。研究成果より、並行嗅覚経路を架橋する抑制性のGABA作動性ニューロンが二次嗅覚ニューロンの匂い応答潜時を厳密に制御していることが明らかになった。原始的なゴキブリをモデルとし、嗅覚並行処理の神経機構を明らかにすることで今後の嗅覚情報処理研究の一助となるであろう。
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