研究課題/領域番号 |
16K18602
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 卓 京都大学, 理学研究科, 助教 (80554815)
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研究協力者 |
徳田 龍弘
栗山 武夫
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 爬虫類 / 系統地理学 / 季節性 / 寒冷地 / 地理的変異 / 系統地理 / 第四紀気候変動 / 生活史 / 温度生態 / 遺伝的変異 / 歴史生物地理 |
研究成果の概要 |
近畿~東日本に広く分布するヒガシニホントカゲ(トカゲ科,爬虫綱)の地理的変異をDNAマーカーと外部形態に基づいて調べた.その結果,本種は鮮新世に中央高地の隆起によって近畿~中部と東日本の2系統に分岐し,東日本では前期更新世の後半に東北地方と関東甲信越の系統に分岐したあと,後氷期に後者が北方へ分布を拡大し,東北地方に複雑な遺伝的組成の集団が形成されたことが明らかとなった.各季節ごとの各地の標本に基づいて齢構成と生殖腺の発達状態を調べた結果,左記の遺伝的分化とは無関係に寒冷での繁殖期の遅れが認められた.一方,生態ニッチモデリングによる予備的な解析の結果,系統に応じた生息適地の違いが若干認められた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本は暖温帯から冷温帯に渡る幅広い気候域を含み,第四紀気候変動により各地の気候と植生が著しく変化してきた.この地域に現在広域している陸上脊椎動物には,氷期に分布が南部へ縮小し,後氷期になってから北方の集団が成立したというモデルにあてはまる変異パタンを示すものが多く知られている.一方,ヒガシニホントカゲの北日本の集団は,左記モデルにあてはまる集団とそうでない集団が混在していると考えられ,氷期の寒冷化に対し,南方への分布縮小と寒冷地への耐性獲得という異なる応答を同時に示した可能性がある.よって,本種は外温動物における温度生態の進化を考察するための有力な題材となる可能性があるといえる.
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