研究課題/領域番号 |
16K18612
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥崎 穣 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 学術研究員 (40725785)
|
研究協力者 |
曽田 貞滋
齊藤 隆
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 体色進化 / 分光計測 / 分子系統解析 / オサムシ / 寄生バエ / 動物生態学 / 進化生物学 / 生態学 / 昆虫 / 分光測定 |
研究成果の概要 |
オオルリオサムシとアイヌキンオサムシは北海道内で体色とその多型頻度を変化させながら系統分岐を繰り返してきたことが分子系統解析から明らかとなった.体色進化の地理的パターンは2種間で異なっていたが,2種の体色は北海道北部でよく似た赤い色であることが分光計測によって確かめられた.またDNAバーコーディングの結果,オサムシの捕食寄生者3種が確認され,北海道北部にはそのうちの1種,ヤドリバエ科Zaira cinereaのみが生息していた.2種のオサムシの赤い体色はこの寄生バエに対して隠蔽色として機能しているかもしれない.今後はZ. cinereaの成虫を捕獲して,オサムシの体色への選好性を調査していく.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オサムシは歩行によってのみ移動するため,その進化史から陸域環境の変化が生物の生息範囲と集団間の遺伝子流動に与えた影響を推測できる.オサムシ集団間に大きな遺伝的分化が見られた渡島半島と日高地域は,氷期における生物の待避地,あるいは長期的に生物の移動を妨げる地理的障壁であったと考えられる.またオサムシは高山環境にも多く生息しており,その寄生バエが訪花性昆虫であったことは,オサムシが高山植物に送粉者を供給していること示唆する.今後の調査でオサムシの寄生バエが高山植物の受粉に欠かせないという結果が得られれば,オサムシのように植物と直接関わりのない昆虫にも注目した環境保全指針を定めることが可能となる.
|