研究課題/領域番号 |
16K18624
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 奈良女子大学 (2018-2019) 神奈川大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
山口 幸 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (20709191)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホルモンダイナミックス / アロマターゼ / 双方向性転換 / 社会的地位 / 遺伝子発現 / 温度性決定 / 雌雄同体 / 自家受精 / 性システム / 性転換 / 分業 / 進化生態 / 数理モデル |
研究成果の概要 |
本研究は、生理学・分子生物学と生態学・行動学をつなぐ新しいアプローチを確立するため、魚類の性転換や魚類・爬虫類で見られる温度性決定など「性」現象に焦点をあて、生物の表現型適応の進化機構を、遺伝子発現・生理的機構に着目し数理モデル化した。主に、4つのことを明らかにした:[1]ホルモン-酵素動態がもたらす双方向性転換にかかる時間非対称性、[2]双方向性転換魚における両性生殖腺の進化条件、[3]なぜ双方向性転換が稀なのか?、[4]温度性決定の生理的機構のモデル化。また「適応性」に焦点をあて、[1]自家受精する雌雄同体と雄との共存条件、[2] 社会性昆虫アリにおける仕事分業について解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物適応戦略モデルは、生物個体が残す子どもの数が最も多い生き方が広まり集団が置き換わる、という進化プロセスに注目し、適応度最大化問題に帰着させて大きな成功を収めてきた。他方、近年の分子生物学の目覚ましい発展により、環境や社会相互作用への応答、つまり表現型可塑性の分子生物学的基盤が明らかになりつつある。本研究では、表現型をもたらす生理学的機構をモデルに取り入れ、遺伝子発現や遺伝子制御ネットワークを考慮した新しい進化生物学モデルの展開を行った。このアプローチは、分子生物学や生理学の実験研究と動物行動学や生態学の研究を、数理生物学によってつなぐ、全く新しい共同研究の在り方を推進するものである。
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