研究成果の概要 |
基質特異性の低い大腸菌内在性チオエステラーゼを活用することで, これまで微好気又は嫌気条件での生産に限定されていた酪酸生産を好気培養条件下で可能にする合成代謝経路を大腸菌内で構築した。加えて, これまでに構築した1,3-ブタンジオール合成代謝経路を改変することで, グルコース及びプロピオン酸, イソ酪酸又はグリコール酸混合物から1,3-ペンタンジオール, 4-メチル-1,3-ペンタンジオール, 1,2,4-ブタントリオールをそれぞれ生成可能な1,3-ジオール類プラットフォーム経路を大腸菌内で構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では, 代表的な再生可能資源であるグルコースを原料に酪酸及び1,3-ジオール類の生産に成功した。これは, 再生可能資源から有価物を生産する点で, 持続可能な社会形成に貢献するものと考えられる。加えて, 本研究で生成に成功した1,3-ペンタンジオール, 4-メチル-1,3-ペンタンジオールの発酵生産はこれまで報告例がなく, 学術的にも高い意義を持つと考えられる。
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