研究課題
若手研究(B)
我々は、大腸菌70Sリボソーム、ArfA、RF2、開始tRNA、mRNAからなるノンストップ複合体をクライオ電子顕微鏡により解析し、3.0Åの分解能で構造を決定した。その結果、ArfAのN末端側の領域はリボソーム30Sサブユニットのデコーディング領域とRF2に挟まれる形で結合する一方、ArfAのC末端領域はリボソームのmRNAエントリーチャネル内に位置することが明らかになった。また、ArfAおよびRF2変異体を用いて、変異がペプチジルtRNA加水分解活性に与える影響を明らかにした。
近年、翻訳停滞解消因子は新しい抗生物質の標的として注目されつつある。一般に、翻訳を阻害する抗生物質はリボソームや翻訳関連因子に作用する。翻訳のメカニズムは生物種を問わず共通しているため、このような抗生物質は広範囲のバクテリアに対して効果を示す。しかし、このような広い抗菌スペクトルを示す薬剤は耐性菌の蔓延リスクを高めるという問題を内包している。翻訳停滞解消因子は結核菌・ピロリ菌・赤痢菌・ペスト菌等の一部の病原菌の生育にとって必須であり、その阻害薬は耐性菌出現リスクの低い次世代の抗生物質として期待される。本研究は、このような薬剤開発の基盤となるものである。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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