研究課題/領域番号 |
16K18704
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
食品科学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂尾 こず枝 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 助教 (40713285)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ケルセチン / アセチル化 / 生理活性評価 / 3Ac-Q分離精製 / X線結晶構造解析 / アセチル化ケルセチン |
研究成果の概要 |
アセチル化ケルセチンの生理活性がケルセチンの生理活性よりも増強する起因を解明するため、ケルセチンの1~5箇所のヒドロキシル基のアセチル修飾を行い、その合成に成功した。十分量得られた3Ac-Q、4Ac-Q、5Ac-Qを用いて、ヒト大腸がん細胞におけるアポトーシス誘導能および腸管吸収透過性や人工膜透過性、ヒト肝臓がん細胞を用いた代謝産物の違いを測定した結果、アセチル化体は膜透過性を向上させること、また、アセチル基の数ではなく、アセチル化される位置に生理活性増減が寄与すること、アセチル化体の代謝速度は、ケルセチンより遅く、その結果、生体内に長く留まり、効果を発揮する可能性があることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然化合物の一部を修飾し、その生理活性を細胞を用いて評価する研究報告例はあまりなく、中でも生理活性増強が何に起因するかについて深く言及している研究報告はほとんど無い。そのため、本研究においてケルセチンのアセチル誘導体がケルセチンより強い活性を示す理由について、明確な科学的見解を提示し一連の生物学的操作の流れを構築したことは学術的に重要な意義を持つと考えている。また本研究で得ることが出来た最大の成果として、アセチル化による生理活性増強がアセチル基の数ではなく、ヒドロキシル基の修飾部位に起因することが解明されたことがあり、他のフラボノール類の生理活性増強のヒントになりうる点でも意義深いと思われる。
|