研究課題
若手研究(B)
研究者らは、筋幹細胞(衛星細胞)が融合して新生筋線維(筋管)を形成する過程で、多機能性の細胞外制御因子を合成・分泌して自律的に筋線維型を早期決定する新奇制御機構に着目している。これまでに、遅筋由来の衛星細胞から多量に分泌されるsemaphorin 3A(Sema3A)は筋管の遅筋化を誘導することを明らかにしたが、速筋化誘導に関する機構は全く不明であった。本研究では、神経系においてSema3Aと反対の生理機能を有するNetrin-1が筋線維型決定に与える影響を検証した。その結果、速筋由来の衛星細胞はNetrin-1を多量に合成し、自律的に速筋型の筋管を形成する制御機構を有することを見出した。
食肉の原料となる骨格筋は、主に筋細胞(細長い巨大な細胞のため“筋線維”と呼ばれる)から構成される。筋線維は、収縮特性や代謝特性等の違いによって遅筋型または速筋型といった筋線維型で分類される。これまでに、筋線維型は成熟した筋線維に接着する運動神経刺激によって制御されると考えられてきたが、本研究成果より、各筋線維型に特異的な衛星細胞はそれぞれで多量に産生する多機能性の細胞外制御因子によって、筋管の筋線維型を制御する「早期決定機構」の存在が明らかとなった。本機構の応用により、容易に筋線維型を変換することで、食肉の質を自在にコントロールできる新技術開発に繋がることが期待される。
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