研究課題
若手研究(B)
重症熱性血小板減少症(SFTS)ウイルスは、ダニ媒介性フレボウイルスの中でもヒトに対する病原性が高く、日本を含む東アジアで問題となっている。本研究では、SFTSウイルスに近縁なダニ媒介性フレボウイルスを比較解析することで、SFTSウイルスがヒトに対する病原性を獲得するに至った進化の過程を解き明かすことを目的とした。日本国内外の様々な地域でマダニ中から複数の新規フレボウイルスを発見し、野生動物がこれらのウイルスに感染していることを明らかにした。また、ダニ媒介性フレボウイルスはマダニと共進化しており、病原性獲得にNSsと呼ばれるタンパク質遺伝子を獲得することが重要である可能性を明らかにした。
本研究により、日本国内外のダニ媒介性フレボウイルスの浸潤状況が明らかとなった。これらのウイルスはヒトや動物に対する病原性は不明だが、さまざまウイルスが発見されたことで不明熱の診断の一助となるかもしれない。野生動物がこれらのフレボウイルスに感染していることも分かったため、今後、どのような動物がフレボウイルスに感染するかを調べ、病気との関連を研究することができる。また、西日本で問題となっているSFTSウイルスが病気を起こすためには、NSsと呼ばれるタンパク質をコードする遺伝子が必要であることが示唆された。ウイルスの進化と病原性獲得を議論する上で重要な知見となる。
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