研究課題/領域番号 |
16K18823
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
昆虫科学
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研究機関 | 東京大学 (2017-2018) 東京農工大学 (2016) |
研究代表者 |
藤井 毅 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (30730626)
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研究協力者 |
稲葉 寛
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ガ類性フェロモン生合成経路 / 炭化水素型性フェロモン / ガ類性フェロモン交信系 / 脂肪滴 / CYP4G / エノサイト / ガ類性フェロモン生合成 / P450 / ガ類炭化水素型性フェロモン / CYP4Gファミリー / 油滴 / ガ類性フェロモン / フェロモン関連炭化水素 / 体表炭化水素 / 昆虫 / 生理活性物質 |
研究成果の概要 |
ガのメスが分泌する性フェロモンは、広大な空間から同種オスを誘引し交配するために不可欠な揮発性低分子化合物である。ガの性フェロモン分子には、脂肪族型と炭化水素型の二種類が存在するが、これまでに炭化水素型性フェロモンの産生場所とそこで働く生合成酵素の実体は不明であった。本課題の成果により、農業害虫であるアメリカシロヒトリの炭化水素型性フェロモンの生合成には、腹部真皮細胞層に内側で接する細胞層で働く酸化酵素P450ファミリーのCYP4Gグループが関与していることが示唆された。現段階では、この細胞層を仮に「フェロモン産生細胞」と名付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業の重要害虫にガ類が多くみられる理由の一つは、メスガの出す性フェロモンが広大な空間から同種オスガを誘引し効率の良い交配の実現に加え、生殖隔離が働き交雑種の出現を抑え、多様化した種を安定して維持できるためである。本課題の成果により、これまで不明だった炭化水素型性フェロモンの生合成の場と、そこで働く酵素の遺伝子の実体が示された。この結果、既に分子レベルで概要が明らかとなっているガ類脂肪族型性フェロモンの生合成機構と比較しながら、ガ類の種分化と性フェロモンの交信系の分子進化のより深い考察が可能となった。
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