新規自己免疫疾患治療としての機能性人工タンパク質の創製とその最適化

• 研究課題/領域番号: 16K18918
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 創薬化学
• 研究機関: 神戸学院大学
• 研究代表者: 井上 雅己 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (80757097)
• 研究協力者: 角田 慎一 ; 鎌田 春彦
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 腫瘍壊死因子 / TNF / アンタゴニスト / TNFR1 / 自己免疫疾患 / 一本鎖化 / 構造最適化 / 蛋白質工学 / 機能性人工タンパク質 / 最適化

研究成果の概要

本研究は、難治性自己免疫疾患の治療薬の開発を目指し、我々が創製したTNFR1指向性アンタゴニストTNF変異体（R1antTNF）の高機能化を目的とした。まず、ファージR1antTNF改変体ライブラリを作製し、アンタゴニスト活性が増強した変異体の探索を試みた結果、R1antTNFの配列は最適化されていた。さらに、体内安定性の向上のため、R1antTNFの３量体構造を一本鎖化したscR1antTNFを創製した結果、TNFR1結合選択性や生物活性を維持したまま、熱安定性が高まった。分岐型40-kDa PEG修飾を施すことで血中半減期も延長した。従って、本高機能化は治療応用に有用であることが示された。

研究成果

• [雑誌論文] A trimeric structural fusion of an antagonistic tumor necrosis factor-α mutant enhances molecular stability and enables facile modification (2017)
  • 著者名/発表者名: Masaki Inoue, Daisuke Ando, Haruhiko Kamada, Shintaro Taki, Mayumi Niiyama, Yohei Mukai, Takashi Tadokoro, Katsumi Maenaka, Taisuke Nakayama, Yuji Kado, Tsuyoshi Inoue, Yasuo Tsutsumi and Shin-ichi Tsunoda
  • 雑誌名: J. Biol. Chem., 巻: in press 号: 16 ページ: 235-237
  • DOI: 10.1074/jbc.m117.779686
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 難病の克服に向けた先端バイオ医薬創出 (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上雅己, 角田慎一
  • 雑誌名: 化学工業 巻: 68 ページ: 317-323
• [雑誌論文] Creation of mouse TNFR2-selective agonistic TNF mutants using a phage display technique (2016)
  • 著者名/発表者名: Daisuke Ando, Masaki Inoue, Haruhiko Kamada, Shintaro Taki, Takeshi Furuya, Yasuhiro Abe, Kazuya Nagano, Yasuo Tsutsumi, Shin-ichi Tsunoda
  • 雑誌名: Biochemistry and Biophysics Reports 巻: 7 ページ: 309-315
  • DOI: 10.1016/j.bbrep.2016.06.008
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 免疫制御薬としてのTNFR1選択的アンタゴニストの有効性・安全性の検討 － 一本鎖化技術による構造最適化 － (2018)
  • 著者名/発表者名: 大崎奈都喜, 井上雅己, 國重将大, 三木望稔里, 小野寺章, 河合裕一, 鎌田春彦, 堤 康央, 角田慎一
  • 学会等名: 第34回日本毒性病理学会総会および学術集会
• [学会発表] 免疫制御薬としてのTNFR1選択的アンタゴニストの有効性・安全性の検討 － 部位特異的PEG修飾による構造最適化 － (2018)
  • 著者名/発表者名: 國重将大, 井上雅己, 大崎奈都喜, 三木望稔里, 小野寺章, 河合裕一, 鎌田春彦, 堤 康央, 角田慎一
  • 学会等名: 第34回日本毒性病理学会総会および学術集会
• [学会発表] Trimeric structural fusion of an antagonistic tumor necrosis factor-α mutant enhances molecular stability and enables facile modification. (2018)
  • 著者名/発表者名: Masaki Inoue, Haruhiko Kamada, Yasuo Tsutsumi, Shin-ichi Tsunoda
  • 学会等名: 2018 Controlled Release Society Annual Meeting
  • 国際学会
• [学会発表] 一本鎖構造とPEG修飾に基づくTNF受容体アンタゴニストの高機能化 (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上雅己、安藤大介、鎌田春彦、堤 康央、角田慎一
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 東北大学川内北キャンパス（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24
• [学会発表] 免疫疾患治療薬の開発を目指したTNFR1選択的アンタゴニスティックTNF変異体タンパク質の構造最適化の試み (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上雅己, 安藤大介, 鎌田春彦, 新山真由美, 堤 康央, 角田慎一
  • 学会等名: 第64回日本生化学会近畿支部例会
• [学会発表] 機能改変TNF変異体タンパク質の免疫疾患治療薬としての応用に向けた最適化の試み (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上雅己, 安藤大介, 鎌田春彦, 新山真由美, 堤 康央, 角田慎一
  • 学会等名: 第33回日本DDS学会学術集会
• [学会発表] A trimeric structural fusion of an antagonistic TNF-α mutant enhances molecular stability. (2017)
  • 著者名/発表者名: Masaki Inoue, Daisuke Ando, Haruhiko Kamada, Mayumi Niiyama, Yasuo Tsutsumi, Shin-ichi Tsunoda
  • 学会等名: 2017年度 生命科学系学会合同年次大会
• [図書] DDS先端技術の製剤への応用開発 第2章2節PEG修飾による薬物動態特性の向上技術 (2017)
  • 著者名/発表者名: 井上雅己, 角田慎一
  • 総ページ数: 10
  • 出版者: 技術情報協会
  • ISBN: 9784861046636