研究課題
若手研究(B)
本検討課題では、導入した人工染色体を保持する肝がん由来細胞株(HepG2細胞、JHH5細胞、HuH7細胞)に、既知の代謝酵素誘導薬剤を処置してから48時間後の人工染色体に搭載したCYPプロモーターによって調節される発光タンパク質の発光量、および遺伝子発現量を定量し、各化合物間および遺伝子発現量-発光量間で比較検討した。各細胞株に、CYP3Aを誘導することが報告されている5種類の薬剤を添加したときの、人工染色体に搭載されたCluc遺伝子および細胞ホスト由来染色体に基づくCYP3A4遺伝子の発現誘導の比較したとき、いずれの化合物においても、CYP3A4遺伝子の発現誘導に伴い、Cluc遺伝子の発現が上昇した。このことは、我々が作製した人工染色体コンストラクトは肝がん由来細胞株において誘導性化合物によって特異的に惹起される代謝酵素誘導を反映できることを示唆した。次に、Cluc遺伝子発現変化が、Clucの発光活性にまで影響するかについて検証した。さきほどまでと同様にCYP3Aを誘導することが報告されている5種類の薬剤を添加した後、Cluc活性について評価したところ、いずれの化合物群においても、Cluc遺伝子発現の上昇に伴い、Cluc活性が上昇することが認められた。以上の結果から、我々の作製した人工染色体コンストラクトは、肝細胞において化合物特異的な代謝酵素誘導をルシフェラーゼ活性にて評価することを可能にしたことを示した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Drug Metabolism and Pharmacokinetics
巻: 33 号: 1 ページ: 17-30
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210000187371
PlosOne
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