研究課題/領域番号 |
16K19006
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片岡 直也 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (20572423)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 想起ストレス / ストレス性交感神経反応 / 神経回路 / 褐色脂肪熱産生 / 光遺伝学 / 心理ストレス / 神経回路基板 / 体温上昇 / 交感神経反応 / ストレス性熱産生 / 交感神経 / 褐色脂肪組織 / 褐色脂肪細胞 / 体温 / 情動記憶 / 想起性ストレス |
研究成果の概要 |
強い心理ストレスは情動記憶として扁桃体へ記憶される。負の情動記憶は条件刺激によって想起されると、動悸や体温上昇といったストレス反応を引き起こし、急性ストレス疾患や心的外傷ストレス症候群の原因ともなる。研究代表者は、社会的敗北ストレスを受けたラットが翌日以降もストレスを受けていないにもかかわらず同じ時間に褐色脂肪熱産生が亢進し、体温が上昇する生理反応を見出した。この反応は心理ストレス記憶を想起した結果と考えられ、本研究では、この想起性ストレス熱産生反応を駆動する脳の神経回路を明らかにするために、光遺伝学の手法を取り入れ、ストレス性熱産生を惹起する視床下部背内側部への神経回路の解明を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心理ストレスによって生じる体温上昇や血圧の変化といった生理反応は、野生動物が天敵に狙われた際に、脳や筋肉を温める事で身体能力を向上させて生存に有利に働かせるといった意義がある。さらに、以前に経験した危険な状況(場所・時間など)では再び同じような危険に遭遇する可能性が高いことから、忌まわしい記憶を呼び起こし、追体験までしてストレス性の体温上昇を惹起させ、速やかに危険を回避出来るようにしているものと考えられる。このような負の想起記憶によって自律生理反応が惹起される現象の中枢神経回路機構は解析されておらず、本研究で得られる知見は、生物の生き残り戦略のメカニズムの新たな解明に寄与することが期待される。
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