研究課題/領域番号 |
16K19131
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平松 征洋 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90739210)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 百日咳 / ワクチン / BipA / バイオフィルム |
研究成果の概要 |
百日咳はワクチンで発症・重症化を予防できる疾患であるが、現行ワクチンでは百日咳の感染そのものを防ぐことはできない。この原因として、百日咳の感染成立機構が解明されていないことが挙げられる。申請者は、百日咳菌をヒト上気道の体温(30℃)で培養した場合にのみ強く発現するタンパク質BipAに着目し、その機能を解析した。BipA欠損株を用いた実験により、BipAは百日咳菌の細胞接着に重要な因子であることが判明した。さらに、現行のワクチン抗原に加えて、BipAを含む新規ワクチンの作製に成功した。また、国内臨床分離株のBipA発現を解析する過程で、BvgAS二成分制御系に変異を持つ株を世界で初めて発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
百日咳はワクチン予防可能疾患とされているが、ワクチンが普及した日本や欧米においても感染制御に苦慮する状況が続いている。この問題を解決するために、百日咳菌の感染成立機構を解明するとともに、現行ワクチンを感染防御能を持つものに改良する必要がある。本研究では、BipAが百日咳菌の細胞接着因子であることを実証するとともに、BipAを抗原として含む新規百日せきワクチンの作製に成功した。本成果は、日本において年間数千人が報告される百日咳患者を減らすための有益な基礎データとなる。また、本研究の過程で発見した主要抗原を産生しない百日咳菌株はワクチンが無効である可能性が高く、今後の流行を監視していく必要がある。
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