研究課題/領域番号 |
16K19247
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 大資 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10724726)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 犯罪不安 / 社会疫学 / 高齢者 / 健康 / 縦断調査 |
研究成果の概要 |
高齢者32747名を対象とした縦断調査データ(2010年、2013年、2016年の3波)を用い、ベースラインの犯罪不安と2016年の健康の関連が、どのような要因に媒介されているのかを検討した。分析結果から、犯罪不安と健康の関連の多くが社会関係的側面(他者への信頼)の毀損によって説明されることが示された。これは、犯罪不安と健康の関連が外出控え等の行動面の変化によって説明されることを示した欧米の先行研究の結果と異なっており、ここから、わが国においては犯罪不安が高い状況でも他者や社会とつながることが容易となるようなまちづくり方略が、犯罪不安による健康影響を低減させるのに有効となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本でこれまでほとんど検討されてこなかった、犯罪不安と健康の関連のメカニズムの一部を縦断分析によって明らかにした点に学術的意義がある。また、日本では犯罪率と人々が抱く犯罪不安の間の乖離が指摘されてきたことを考慮すると、日本の治安対策においては犯罪率の減少だけでなく、犯罪不安の減少も警察政策上および公衆衛生上の課題であることを示唆した点に社会的意義がある。加えて、犯罪不安と健康の関連の多くが社会関係的側面の毀損によって説明されたことから、犯罪不安が高まった際でも社会的不信が高まらないような社会の在り方を検討することが、健康への影響の緩和に重要であることが示唆された。
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