研究課題
若手研究(B)
本研究は,高頻度な消化器心身症である過敏性腸症候群(以下IBS)を対象として,ストレス認知修正と行動変容を意図した認知行動療法の技法適用の効果について検討し,non-patient IBSに対する発症予防的介入法の臨床的応用可能性を吟味することを目的とした。介入プログラムは12週間を1パッケージとし,認知的再体制化とエクスポージャーを意図した携帯情報端末上のワークシートへの取り組みを主とした。結果から,介入群では統制群に比して有意な症状の低下とQOLの向上が示唆され,本研究で用いられたプログラムは,治療的セルフコントロール技法として一定の有用性を持つことが推測された。
過敏性腸症候群(IBS)は,腹痛や便秘・下痢などの便通異常があるにもかかわらず,器質的には問題が認められない機能性疾患である。先進国では発症率が全人口の10%にも上るといわれているにも関わらず,主に医学的治療における対症療法しか確立されておらず,非薬物療法を含めた治療法の確立は急務であるといえる。本研究は,これまでに国内外で治療効果のエビデンスが積み上げられてきている認知行動療法と携帯情報端末を組み合わせた治療法を開発し,その効果を検討した。その結果,本研究で取り組まれたプログラムは統計的に有意な効果が認められた。このことにより,IBS患者の症状低減とQOL向上が期待される。
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明星大学心理学研究紀要
巻: 37 ページ: 25-32
120006769171
心身医学
巻: 印刷中
子どもの心と学校臨床
巻: 16 ページ: 37-45