肝癌幹細胞から成熟癌細胞への分化に伴う代謝リプログラミングのシステム解析

• 研究課題/領域番号: 16K19378
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 国立研究開発法人理化学研究所
• 研究代表者: Qin XianYang 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 特別研究員 (60756815)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 不飽和脂肪酸 / がん幹細胞 / 肝発がん / MYCN / オミクス解析 / 酸化ストレス / 肝癌 / 癌幹細胞 / 化学予防 / 癌 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 脂質 / シグナル伝達

研究成果の概要

網羅的オミクス解析を駆使した肝癌再発予防薬非環式レチノイド（ACR）の標的同定の結果から、１）メタボローム解析では、ACRがアラキドン酸を阻害し癌化進展を抑制する方向に働くことを見出した。分子機構として、アラキドン酸がROS/TG2シグナルにより肝障害に関与することが分かった。２）トランスクリプト－ム解析では、MYCN陽性EpCAM陽性肝癌幹細胞がACRにより選択的に排除されることを見出した。プロテオーム解析/メタボローム解析では、不飽和脂肪酸がEpCAM陽性細胞で亢進していることを見出した。不飽和脂肪酸は、慢性肝障害を引き起こすとともに肝癌幹細胞のstemnessを維持することが示唆された。

研究成果

• [国際共同研究] Ohio State University(米国)
• [国際共同研究] CNRIFFI(中国)
• [国際共同研究] Ohio State University(米国)
• [雑誌論文] Prevention of hepatocellular carcinoma by targeting MYCN-positive liver cancer stem cells with acyclic retinoid (2018)
  • 著者名/発表者名: Qin XY, Suzuki H, Honda M, Okada H, Kaneko S, Inoue I, Ebisui E, Hashimoto K, Carninci P, Kanki K, Tatsukawa H, Ishibashi N, Masaki T, Matsuura T, Kagechika H, Toriguchi K, Hatano E, Shirakami Y, Shiota G, Shimizu M, Moriwaki H, Kojima S
  • 雑誌名: Proc Natl Acad Sci U S A 巻: 115 号: 19 ページ: 4969-4974
  • DOI: 10.1073/pnas.1802279115
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Transcriptome Analysis Uncovers a Growth-Promoting Activity of Orosomucoid-1 on Hepatocytes (2017)
  • 著者名/発表者名: Qin Xian-Yang et al.
  • 雑誌名: EBioMedicine 巻: 24 ページ: 257-266
  • DOI: 10.1016/j.ebiom.2017.09.008
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [学会発表] Selective depletion of liver cancer stem cells by retinoids (2018)
  • 著者名/発表者名: Xian-Yang Qin, Soichi Kojima
  • 学会等名: JSPS Core-to-core Program Symposium
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 肝再生時の新しい肝細胞増殖マーカーリポカリンファミリー分子オロソムコイド1 (2017)
  • 著者名/発表者名: 秦 咸陽、原 詳子、河口 義邦、古谷 裕、永妻 啓介、松浦 知和、國土 典宏、小嶋 聡一
  • 学会等名: 第53回日本肝臓学会総会
• [学会発表] Role of transglutaminase 2 in selective deletion of MYCN+CD133+ liver cancer stem cells by acyclic retinoid (2017)
  • 著者名/発表者名: Xian-Yang Qin, Rajan Shrestha, Sanae Sekihara, Akimori Wada, Soichi Kojima
  • 学会等名: Debrecen University Symposium TGase
  • 国際学会
• [学会発表] 非環式レチノイドによる肝癌化学予防の分子機構解明に向けた網羅的解析の取り込み (2017)
  • 著者名/発表者名: 秦 咸陽、小嶋 聡一
  • 学会等名: 第28回日本レチノイド研究会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] Hepatic orosomucoid is an additional essential regulator promoting hepatocyte proliferation during liver regeneration (2016)
  • 著者名/発表者名: Xian-Yang Qin, Mitsuko Hara, Erik Arner, Yoshikuni Kawaguchi, Norihiro Kokudo, Harukazu Suzuki, Piero Carninci, Alistair Forrest, Soichi Kojima
  • 学会等名: AASLD2016 第67回米国肝臓学会議
  • 発表場所: John B. Hynes Veterans Memorial Convention Center (Boston, MA, USA)
  • 年月日: 2016-11-11
  • 国際学会
• [学会発表] ベイジアンネットワーク解析を用いた肝再生調節因子の探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦咸陽
  • 学会等名: 情報計算化学生物学会CBI学会2016年大会
  • 発表場所: タワーホール船堀（東京都・江戸川区）
  • 年月日: 2016-10-27
  • 招待講演
• [学会発表] リポカリンファミリー分子による肝細胞増殖の制御 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦咸陽、原詳子、小嶋聡一
  • 学会等名: 第27回日本レチノイド研究会学術集会
  • 発表場所: 昭和薬科大学（東京都・町田市）
  • 年月日: 2016-10-22
• [学会発表] トランスクリプト－ム解析からわかった肝類洞内皮細胞と肝細胞の相互作用による新規肝再生制御因子リポカリンOrm1の同定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦咸陽、原詳子、鈴木治和、小嶋聡一
  • 学会等名: 第23回肝細胞研究会報告
  • 発表場所: 大阪大学中之島センター（大阪府・大阪市）
  • 年月日: 2016-07-07
• [学会発表] Acyclic retinoid inhibits aberrant lipogenesis to prevent diethylnitrosamine-induced hepatic tumorigenesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Xian-Yang Qin, Yohei Shirakami, Naoto Ishibashi, Masahito Shimizu, Hisataka Moriwaki, Soichi Kojima
  • 学会等名: FASEB's 3rd International Conference on Retinoids
  • 発表場所: Marriott West Palm Beach (West Palm Beach, FL, USA)
  • 年月日: 2016-06-22
  • 国際学会
• [学会発表] 脂質代謝を標的とした非環式レチノイドによる肝発癌の化学予防 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦咸陽、白上洋平、石橋直人、清水雅仁、森脇久隆、小嶋聡一
  • 学会等名: 日本ケミカルバイオロジー学会 第11回年会
  • 発表場所: 京都テルサ（京都府・京都市）
  • 年月日: 2016-06-17
• [学会発表] 新規肝（癌）細胞増殖因子リポカリンOrm1 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦咸陽、小嶋聡一
  • 学会等名: 第20回日本がん分子標的治療学会学術集会
  • 発表場所: 別府国際コンベンションセンター（大分県・別府市）
  • 年月日: 2016-05-31
• [学会発表] 網羅解析による非環式レチノイドの肝癌再発化学予防標的シグナルの同定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秦 咸陽、Shrestha Rajan、小嶋 聡一
  • 学会等名: 第52回日本肝臓学会総会
  • 発表場所: ホテルニューオータニ幕張（千葉県・千葉市）
  • 年月日: 2016-05-19
• [備考] Vitamin A derivative selectively kills liver CSCs
  • URL: http://www.riken.jp/en/pr/press/2018/20180424_1/
• [備考] 非環式レチノイドによるMYCN陽性肝がん幹細胞の排除
  • URL: http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180424_1/
• [備考] 肝細胞の増殖を促進する肝再生制御因子Orm1
  • URL: http://www.riken.jp/pr/press/2017/20171024_3/