研究課題
若手研究(B)
本研究により、虚血性心疾患モデルの病態部においてAChEのスプライシングバリアントのひとつであるAChE-Rの発現が増加することが明らかとなった。加えて、心筋細胞におけるAChE-Rの機能解析を行った結果、AChE-Rの発現増加は虚血ストレス刺激に対する抵抗性の獲得を促し、細胞の生存率を上昇させることが見出された。これらの結果より、AChE-Rは虚血性心疾患における心筋保護機能があることが示唆され、AChE-Rを基軸とした新たな分子治療法の足掛かりになる可能性が示された。
AChEは、近年、神経伝達に関与しない組織や細胞に発現することが次々と明らかになってきており、その発現部位および機能の再考が求められている。本研究により、新たにAChE-Rが心臓において発現すること、および虚血ストレスに応じた心筋AChE-Rの発現増加することが明らかとなった。さらにAChE-Rの発現増加が虚血ストレスによる細胞死を抑制することが示唆された。これらの虚血ストレス刺激におけるAChE-Rの細胞死の抑制機構の解明は、心臓のみならず他の組織における虚血ストレスにおいても反映する可能性が高く、虚血性疾患の治療への足掛かりとなる可能性が示された。
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