研究課題
若手研究(B)
多能性幹細胞から心筋細胞の分化法は,複数の液性因子を使用し,心臓前駆細胞をへて心筋細胞に分化させることが一般的である.しかし,この方法には,工程が煩雑・不安定,液性因子が高価,という課題がある.分化の分子機構は明らかにされておらず,分化を誘導する転写因子を同定することにより,遺伝子の発現のみで多能性幹細胞から心臓前駆細胞の分化が可能になると考えた.ダイレクトリプログラミングを応用し線維芽細胞から心臓前駆細胞を誘導するTbx6遺伝子を発見し,Tbx6遺伝子をマウスES細胞あるいはヒトiPS細胞といった幹細胞に導入することにより,液性因子を使用せずに心臓前駆細胞の分化が可能であることを発見した.
Tbx6をマウスES細胞・ヒトiPS細胞に導入することにより、液性因子を使用せずに効率よく増殖可能な心臓前駆細胞を作製し、さらにこれを心筋細胞や血管細胞を誘導することに成功し、液性因子を使用しない新たな心筋・血管細胞作製法を開発した。本研究で開発した手法は、その誘導効率が従来の液性因子を使用した誘導法よりも優れていただけでなく、高額な液性因子を使用しないため、心筋誘導法における問題点であったコストを約80%削減でき、再生医療や心筋細胞作製に大きく貢献すると予想される。
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