研究課題
若手研究(B)
2型免疫応答の負の制御因子としての働きを持つ遺伝子TYRO3のmRNAの発現を抑制する機能的SNPが、アレルギー感作とアレルギー性鼻炎の病因として重要であることを示し報告した。またアレルゲン感作に関係する遺伝子群から算出した遺伝的リスクスコアについても報告を行った。非日本人の2つのGWASにおいてアトピー素因との関連が示された25個の遺伝子領域に着目し、最も関連の強いSNP群を用いて算出した遺伝的なリスクスコアはアトピー陽性者で有意に高値であった。しかし喘息患者では健常者と比較してリスクスコアに差はなくアレルゲンの易感作体質が喘息発症に与える影響は従来考えられているより小さい可能性を示した。
TYRO3遺伝子の発現に関与する機能的遺伝子多型がアレルギー感作とアレルギー性鼻炎に関与する遺伝因子であることを示した。TYRO3がスギ花粉症などのアレルギー疾患に対する薬物治療の新たな標的分子となる可能性がある。また、喘息発症の結果としてアトピー素因を獲得する可能性をメンデルランダム化法にて検証した。アレルギー性喘息の原因が一律にアレルゲン感作であるという特定の理論のみを強調しすぎると、ウイルス感染や肺の成長障害といった病態進展に関するアレルギー感作以外の重要な因子を過小評価してしまう危険があることが示された。
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Allergology International
巻: 68 号: 1 ページ: 77-81
10.1016/j.alit.2018.07.004
130007557962
巻: 67 号: 2 ページ: 292-294
10.1016/j.alit.2017.10.005
130006721768