研究課題
若手研究(B)
CKDで慢性炎症と関連しうる銅含有酵素セルロプラスミン(Cp)ならびに銅、亜鉛を調査した。後ろ向きの横断研究で、維持血液透析中を対象とし、血清Cp値と、体重・平均ヘモグロビン当たりエリスロポエチン抵抗性指数(ERI)、ならびに検査項目との関連を検討した。血液透析患者においてCp25.5以上でERIが高い傾向を示し、またERI 20以上ではCp高値であった。重回帰分析でCpを従属変数としたとき、hsCRP、フェリチンが正の独立変数、ALBが負の独立変数として関連した。また、血液透析患者において、血清銅と亜鉛は正の相関を示した。亜鉛欠乏患者は47%に認められ、同時に銅低値の傾向であった。
本検討ではERIとCpの関連を示したことに加え、hsCRP、ALBとCpの関連を認めたことから、血液透析患者と慢性炎症と関係をCpも関連し得ることが示唆された。Cpにはエリスロポエチン低反応性を含めた多面的な関係が示唆される。また、亜鉛欠乏症の血液透析患者は同時に銅も低値の傾向である可能性を認めた。血液透析患者への大量の亜鉛補充療法が見直されているが、本検討からは治療後に銅欠乏が生じるリスクが考えられた。
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別冊 BIO Clinica
巻: 21 ページ: 114-117
Clin Exp Nephrol.
巻: 20 号: 6 ページ: 827-831
10.1007/s10157-016-1334-0
120007135282